2013年08月17日の日記です


追悼・富田倫生  2013-08-17 18:33:55  今日は何の日

16日、富田倫生氏が亡くなったらしい。


えーと、最初にはっきり言っておこう。僕は彼がどんな人か、何も知らない。

にもかかわらず訃報に反応し、日記に記すには訳がある。


富田氏は、「パソコン創世記」と言う本を書いている。

本と言って良いのかな。僕は「電子書籍版」を購入した。当時まだ「電子書籍」なんて言葉を知っている人も少なく、PDF も今ほど普及していなかった。


パソコン創世記は、もともとは書籍だったそうだ。彼がライターとして独立して最初に書いた書籍。

しかし、言っては悪いが、それほどたいした内容ではない。


でも、最初の仕事って本人には思入れがあるものだ。

彼は、書籍のパソコン創世記を「第1部」として、新たな取材によって書き上げた内容を「第2部」として、新たな「パソコン創世記」を Mac 用の CD-ROMで出版する。


この第2部が秀逸。

NEC がどうやって「国民機」を作り上げていったのか、綿密な取材によって、テクニカルな面でも、人間ドラマとしても読んでいて楽しい内容になっている。


僕はこの、最初の電子書籍版(エキスパンドブック版)パソコン創世記を買った。

その後しばらくたってから WEB ページの作成を始めたのだが、「古いパソコンの歴史」を中心に据えたページ作りに、少なからず影響を与えている。


僕のページには、NEC のコンピューターの話はほとんど出てこない。

これには2つの理由があり、1つは僕が天邪鬼で、メジャーすぎた NEC のマシンを避けてパソコンを使ってきたため。

語ろうにも、よく知らないから語れないのだ。


もう一つは、NEC のマシンの歴史をまとめるのであれば「パソコン創世記」にかなうわけがないからだ。

今となっては、違うまとめかたもできるかもしれない。

でも、少なくとも WEB ページ作成初期は、かなわないから避けようと思っていた。




この電子書籍を作るツール、「エキスパンドブック」と言ったが、当時としては非常に安かった。


当時、このようなソフト(オーサリングソフトと呼ばれた)は10万円を超えるのが普通だった。

エキスパンドブックは、3万6千円だった。


あまりに安かったので、自分も購入して何冊か本を作ってみた。

主に友人と行った旅行の記録などで、友人に配布して喜んでもらったりした。



後に WEB が普及すると、わざわざこんな専用ツールがなくても、電子化した文章を多くの人に読んでもらえるようになった。


富田氏も、この頃に青空文庫を立ち上げている。



実は、青空文庫以前にも「著作権の切れた文章を電子化する」プロジェクトは存在している。

X68000 のディスクマガジン、電脳倶楽部上では著作権の存在しない文書を「パブリックドメインドキュメント」、略して PDD と呼び、読者に電子化を広く呼び掛けていた。


PDD は、ディスクマガジンが発表の場だったため、「いつでも手に入る」ものではなかった。

将来的にはデータベース化して、だれでも気軽に入手できるようにしたい、という構想はあったが、青空文庫が先に実現したことになる。


もっとも、PDD は初期の青空文庫でも活用されている

電脳倶楽部の活動は、ちゃんと青空文庫に引き継がれているのだ。




いい機会なので昔話。もう、余り追悼文ではない。


当サイト立ち上げ時(1996年)に、影響を与えているものが4つある。


1つは上に書いた通り「パソコン創世記」。国内のパソコンの歴史がよくまとめられている。

1つは「ハッカーズ」。アメリカのホビーコンピューティングの歴史がよくまとめられている。

1つは「林檎百科」。Apple と GUI を使用したパソコンの歴史(NeXT 登場あたりまで)がよくまとめられている。


以上の3つの書籍は、Old Good COMPUTER! の強い方向付けになるとともに、これらの書籍にかなうわけがないから、書く内容を「斜に構える」ように導いている。




もう一つは、すでに消滅した WEB サイトの「ナミ通」。

1995年ごろ、僕はインターネットに接続できる環境にはいなかった。というか、パソコンマニアでもそちらの方が普通だった。

当時は大企業に勤めていたが、企業内 LAN はあった。そして、別の部署の、見ず知らずの人が「週間ナミ通」というページを勝手に社内で(自分のMacで)公開していて、それを楽しみに見ていた。


他にも同様のことをしている人が数人いたが、自分のプロフィールなどを書いているだけで、面白くもなんともなかった。

これは、後で「ネットのページは(当時)ほとんどそういうものだった」と知る。


しかし、ナミ通は面白かった。筆者の「好きなこと」を4つのカテゴリに分け、毎週短い記事で趣味の話を書いていた。

プロフィールに「好きなこと」を単語で並べられても面白くないが、趣味丸出しで語り出せば面白いのだ、とこの時知った。


その後、ナミ通の作者さんは会社を辞め、ネット上に公開の場をうつした。

僕もネットを始めようと思っていたころなので、これをきっかけにネットを始めた。


そして、真似して「4つのカテゴリで好きなことを書く」ページを立ち上げた。

それが「魔法使いの森」で、Old Good COMPUTER!、社会の歯車、森の生活、男の料理の4コーナーで作っていた。


この4コーナーは、実は意図して「微妙に話題がかぶる」ようにしてある。

バベジの話題は、OldGood と歯車の両方で取り上げた。

キャンプ道具の使い方などは、歯車と森の生活の両方で取り上げた。


キャンプ料理なども書いて、森の生活と男の料理の両方で、と言う考えもあったが、これは結局やっていない。

つまるところ、興味が4つに分かれているように見せて、実は全部つながっている、という演出をしたかったのだ。


ちなみに、ナミ通には「足元を見る!」と言うコーナーがあった。

ドキリとさせられるタイトルだが、作者さんがスニーカー好きで、街でいいスニーカーをはいている人を見つけたら、取材させてもらって写真を掲載するコーナーだった。


「社会の歯車」というコーナータイトルは、この影響を受けて付けたものだ。




ちなみに、ナミ通の作者さんは、真鍋 奈見江さんと言います。

ポストペットのキャラクターデザインした人ね。


会社を辞めたのも、ポストペットを作成する会社に移るためだったのでした。



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