2015年03月02日の日記です


ワンサガン  2015-03-02 09:27:28  業界記

ワンサガン…このゲーム、世に出ていません。

ロケテストまでは行ったのだけど、成績が悪くて「開発中止」と判断されたゲーム。


でも、ネット調べるとそれなりに知っている人いるのね。

「ガンバレットもどきだった」という評価で、真似したけどうまくいかなくて辞めたんだろう、という人も。


これ、勘違いですよ。

ナムコのガンバレットは、1994年10月発売。

ワンサガンは、僕が入社した直後にロケテストやって「開発中止」になったので、1994年初夏頃にはある程度開発が終わってます。




1991年のナムコの「スティールガンナー」、1992年のコナミの「リーサルエンフォーサーズ」によって、ガンシューティングゲームのブームが起きつつありました。

そこで、各部署にもガンシューティングを作れ、という社内命令が出ていたようです。


#AM2件からも、1994年にバーチャコップが発売されています。


ところで、先に「イチダントアール」で書いたように、1993 年にAM1研から「タントアール」を発売しています。

ミニゲーム集の元祖であり、ヒット作でした。


じゃぁ、タントアール風のガンシューティングミニゲームを作ろう、と考えだされたのがこのゲーム。

「たんとある」(沢山ある)に対して、「わんさかある」ガンシューティングでした。



「ミニゲーム集」と「ガンシューティング」のブームは業界にいれば誰でもわかるでしょうから、ガンバレットと内容がかぶっているのも不思議はありません。

上に書いたように、ワンサガンの方が少し先に開発しているようですが、ガンバレットが真似した、というわけでもありません。




部内でテストプレイを何回かやりましたけど、結構テンポがよくて楽しいゲームだったように記憶しています。


タントアールもそうなのだけど、ミニゲーム集の場合、次々ゲームを出してくるテンポが結構大切。

すでにヒットゲームを出しているので、そこらへんは上手でした。


部内の開発では、メガドライブ(メガCD)用の「リーサルエンフォーサーズ」用の光線銃が使用されていました。


でも、この光線銃「KONAMI」って刻印入ってるんだよね。。

ロケテストに際して、この銃を使うわけにいかない。


そこで、筐体などを作成しているAM4研に、ロケテスト用の仮筐体つくって、とリクエストが飛びます。

ミニゲーム集なので、「拳銃らしい」デザインよりは、もっとかわいらしい銃をお願いします。



4研の方で、何やら非常に古いゲームで使われていた銃の部品を見つけてきたようです。

何のゲームかわからないけど、昔のエレメカで、銃が筐体に固定されていたタイプだったみたい。


固定されていた銃だから、非常に重いです。取り回しのことなんて考えていません。

ゲーム自体のテンポが良いだけに、銃を左右に振り回さないといけないようなゲーム内容もあります。

銃が重いと、とてもついていけない。



さらに不運が重なります。

古い銃だから電子部品がすでに劣化していたようで、開発部署内で試験していたときにはちゃんと遊べたのに、お店ではちゃんと動かないのです。


これは、お店のご厚意で「せっかくロケテストなのだから、目立つところに置きましょう」と、入り口近くの明るいところに置いてくれたせいでもありました。


光線銃は画面からくる走査線の光を認識しているので、周囲が明るいとうまく動かないのね。



誰一人悪意はありません。だけど、全部が悪い方向に動いてしまった。




「誰か手の空いてる新人~」といういつもの声に上司のところへ行くと、工具一式持って上野行ってきて、と言われます。

わけのわからぬまま上野のゲームセンターへ向かうと、ワンサガンの企画の人が筐体の近くで弱り果てていました。


全然うまく銃が反応しないので、仕方がなく「調整中」張り紙を貼っている、とのこと。

工具が届いたので何とかならないかと、いろいろと調整するのですが、結局どうにもなりません。


その後、一緒に電車で会社に戻りましたが、企画の人は弱り果てていてかける言葉も見つかりません。


結局、その後も店舗では「調整中」のまま、予定を切り上げてロケテストは1日で終了したようです。


#夜になって暗くなったら少しくらい遊べたのかな?


当たり前のことですが、お金は全然入りません。

企画者はハードウェアの不調でどうしようもなかった、と説明したようですが、そのまま開発中止が決まりました。


この後も、いくつも開発中止のゲームを見ていますが、入社した直後だったこともあり、ここまで完成していて「開発中止」があるとは思ってませんでした。


社会の厳しさを教えてくれました。




補足しておくと、「機械の不調」というトラブルが理解されないで開発中止になった、という単純な話ではないと思います。

開発費はそれなりに投じているのだから、上層部だって発売して資金を回収したい。


中止の真意がどこにあるかはわかりませんが、店舗でトラブルが起きたという事実を重く見れば、ハードウェアに問題があるのでソフトが完成してもすぐには出せない、ということだったかもしれません。

で、延期している間にガンバレットが出て、内容がかぶっているから完全に発売中止、とかね。




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