2015年09月06日の日記です


X68k 復活  2015-09-06 16:48:27  コンピュータ
X68k 復活

僕が大学生の頃に、シャープの X68000 というパソコンを使っていた。

通称 X68k 。k はキロの意味で、数字の後ろにつけると「000」を意味する。


X68k は当時としては非常に先進的なホビーパソコンだったのだけど、ここら辺の話題は18年前に記している


その記述の一番最後に、「私のX68kは、この記事を書いた直後に故障し、電源が入らない状態になりました。」と書いている。

これ、当時は知らなかったのだけど、X68k の持病。



四級塩電解コンデンサ、という電子部品があり、当時は新製品で、高性能な高級品だった。

X68k ではこの部品を多用したのだけど、何年もたってから「耐久性が悪く、経年劣化する」ことが分かった。


何年もたたないと発覚しない問題で、当時としては仕方のない事例。

今ではこのタイプのコンデンサはあまり使用されない。使用された場合も、もちろん改良され、問題は解消している。


でも、とにかく X68k は経年劣化し、主に電源部分が故障する。

電解コンデンサ内の電解液と呼ばれるものが漏れ出し、場合によっては基盤を腐食する。

ほかの部分に問題がなくとも、電源が入らなければ当然のことながらコンピューターは動かない。



後に問題と対処法を知った。

コンデンサを全部等価品に付け替えればよい…のだけど、電子部品知識がなくて、どれが等価品かわからないし、はんだ付けに自信がない。

(はんだ付けの手際が悪くて部品を壊した経験は何度もある)


ATX …昔の PC 互換機の電源を流用して修理する、という方法も一時期流行したけど、これも時代とともに ATX 電源が入手困難になった。


そして、X68k は「いつか修理できる」と信じたまま、荷物の奥に埋もれっぱなしになった。




5月の連休に「マイコンインフィニット PRO 68k」に遊びに行った。

X68k を中心とした、古いパソコン好きが集まる展示即売会。


正直なところ、自分が古いパソコン好きなのかどうか、よくわからない。

特にこういう場では浮いている気がする。


だって、皆さん本当に今でも昔のパソコンが好きで、精力的に活動している。

僕は、「当時の思い出」を大切にしているだけで、今更昔の機械を使ったり、当時のゲームで遊ぼうというほどの情熱がないのだ。


とはいえ、会は非常に楽しかった。

情熱に当たり、もう一度 X68k で遊んでみたいな、という気にはなった。


でも、X68k 壊れてるし…と Twitter で書いたところ、マイコンインフィニットにも出展していて、同様の会である「レトロエクスプレス」の主催もしている田辺敦司さんに、「よかったら修理しましょうか?」と声をかけていただいた。



もちろん実費+アルファ程度はかかるわけだけど、趣味でやっているそうで、技術者に働いてもらう金額としては非常に安い。

ただし、趣味だし、常に修理待ちがあるのでいつ完成するかはわからない。


すぐにお願いすることにした。




それから3か月、2週間前の日曜日に、修理が終わって戻ってきた。


しかし、この日は予定があって外出。動作確認できず。

平日は忙しくて、次の休日(先週末)に動作確認を試みる。


…あれ、RGBケーブルがない。

えーと、昔の日本のパソコンって、今の PC の RGB ケーブルとは違うものを使っていた。


15ピン、というピン数も、その信号の意味も同じなのだけど、今はピンが3列、昔は2列。物理的に繋げられない。


家中探したら、3列→2列変換アダプタが見つかった。

古いパソコンの液晶モニタにつないでみる。しかし、 OUT OF RANGE 表示。



今のパソコンは、画面表示に 48KHz~100KHz くらいの水平走査周波数を使っている。


簡単に言えば、周波数が高いほどドットが細かく、画面に表示できる情報が多くなる。

今のディスプレイも、当然この周波数に対応している。



でも、X68k は 15KHz~31KHz を出力する。今のディスプレイでは周波数の範囲を超えてしまう。

これがつまり「OUT OF RANGE」表示の意味。画面を出力できない。



すっごく古い、ブラウン管ディスプレイを引っ張り出してつないだら動いた。

グラディウスを読み込ませて、起動することに成功。



でも、どうも周波数がぎりぎり下限のようで、映像が不安定だし、時々ディスプレイからパチパチ音がする。負荷がかかっている。

ディスプレイに負荷をかけるのは怖いので、起動成功から1分ほどで慌てて電源を切る。




RGBケーブルを探しても見当たらないので、アマゾンで購入。

今更こんな古いケーブルを売っていることに感謝。まさにロングテール。


ケーブルはすぐに届いたが、やはり平日は忙しく、今日やっと動作確認。


純正モニタに接続し、グラディウスを起動。…できない。おかしいな、こないだはできたのに。

どうも、フロッピーディスクドライブ 0 が不調のようだ。全くダメなのではなく、不安定。

先日はたまたま起動できただけみたい。経年劣化だろう。仕方ない。



ハードディスクからの起動は、途中まではいくのに、なぜか止まってしまい、起動できない。


FDD1からグラディウスを起動すると、動作はする。

久しぶりに遊んだら、モアイステージで終わった。昔は軽々一周してたのにな。



ところで、家にあった純正マウスは、マウスのボールを覆うゴムが劣化し、ひび割れていた。

固くなってひび割れる一方で、部分的にはべたついている。


別売りの純正トラックボールも持っているのだけど、こちらは壊れているようで反応しない。

これまた純正(?)の、X1 用ゲームパッドは問題なく動いた。




ハードディスクから起動できない問題を追う。


フロッピーから起動し、ハードディスクの CONFIG.SYS を眺める。

起動時に使われる設定ファイルね。


標準エディタである、ED.X を使って編集。

…もう使い方忘れたよ。HELP ボタンを押したらキー操作が出てきて助かった。


何が悪いかわからず、不要そうなドライバを外してみては、再起動。

うまくいかないともう一度フロッピー起動して眺める。


…なんか、C:\COMMAND.X が読み込めないようだ、とわかってくる。

COMMAND.X 単体で動かせば動くし、ファイルが壊れているわけではないようだ。なんで?



しばらくやっていて、わかった。

そういえば、X68k では「起動ディスクが A: になる」のだっけ。


PC互換機では、起動ディスクにかかわらず、ハードディスクは C: から始まる。

これが気持ち悪いので、X68k のデバイスドライバで「フロッピーを常に A: B: にして、ハードディスクを C: にする」ドライバを組み込んでいた。


ところが、なぜか(いろいろいじる前から)このドライバがコメントアウトされていて、そのせいで C:\COMMAND.X なんてものは存在しなくなっていた。


気づいたので、ドライバをちゃんと組み込んで解決。



#当時のパソコンは MS-DOS が標準的な OS だけど、X68k は CPU が違うため DOS は使えなかった。

 しかし、X68k の OS は操作方法はほぼ DOS 互換。もちろんソフトの互換性はないけど。


#先に COMMAND.X と書いたのは、DOS でいえば COMMAND.COM に当たるもの。

 また、起動ドライブが A: というのは、DOS を使っていた PC-98 でもそうだったため、それを真似たもの。




ところが、今度は AUTOEXEC.BAT がうまく働かない。

起動直後に実行するプログラムを記述したファイルね。


どうも、いくつかのプログラムで「メモリが足りない」と怒られてしまう。


あー、これはあれだな…。コマンド名なんだっけ。

ディレクトリの中を探し回り、SWITCH.X を見つける。そうそう、こいつだ。


しかし、「OS バージョンが違う」と怒られ起動できない。


気づくと、OS がバージョン3だ。最終バージョンだけど、一番普及したバージョン2との互換性が微妙に悪かったもの。

うーん、きっと「とりあえず最新版に」とアップデートしていたのだろうなぁ。


フロッピーから起動して、SWITCH.X を動かす。

これ、X68k の様々なハードウェア設定を行うプログラム。


設定は SRAM に書き込まれるのだけど、長年通電していないので、SRAM も消えていて当然だ。


やはり、メモリ設定が 1M になっていた。初代機の設定がデフォルトなんだな。

僕のマシンは標準で 2M 搭載しているので、2M に設定する。


これで、ハードディスクから起動できるようになった。




ハードディスクの中を少し覗いてみると、TF があった。

TF! なんと懐かしい。


当時のパソコンは、すべてをコマンドで操作する。

大抵の操作は「ファイル」に対して行われるのだけど、最初はどんなファイルがあるかすらもわからない。


なので、まずファイル一覧を表示するコマンドを使い、次にファイルの中身を見るコマンドを入れる。

そのコマンドで、今見たファイル名をタイプする。正確に同じ名前になるように。

間違えるとエラーになる。


でも、「ファイラー」と呼ばれるソフトを使うと、操作を簡単にしてくれた。

ファイル一覧を表示して、ファイルを選んで、簡単なキー操作で処理が行える。

拡張子によって最適な動作を行う、というような指定も可能。


記憶の限りでは、DOS では「エコロジー」が最初のもので、フリーウェアで FD が大人気だった。

でも、これらのソフトは、常に「現在のディレクトリ」が操作対象だった。

ファイルをコピーしようとすると、どこにコピーするのか聞かれ、パスをタイプする必要がある。



TF は、X68k で結構人気のあったファイラー。画面上に2つのディレクトリを同時に表示する機能があった。

コピーも、片方からもう片方に、簡単に行える。


すごく便利だった。X68k ユーザーが DOS ユーザーに自慢できる、数少ないソフトの一つだった。

Windows で Exploler 使っているのとほぼ同じ感覚、といってもよいと思うよ。



というわけで、良いものを見つけたので TF を起動して、ディスクの中を探検してみる。


…大学時代に書いた小説とか、詩とか、日記とか出てきましたよ。

こっぱずかしいけど、これも自分の歴史。そのうちなんとかして、今の PC にファイルを持ってきて保存しておくことにしよう。


ほんのわずかだけど、なんかエロ絵が出てきた。

これは削除。子供が X68k に興味を持っていじり始めるかもしれないので。


当時は今と違ってインターネットは普及していないし、エロ絵なんて入手困難だった。


#コミケとか行っていたらあったかもしれないけど、僕は行ってなかった。


ちなみに、今見るとたいしてエロくないよ。でも、入手困難だからそんなものでもありがたく保管してたのだろう。




というわけで、ひとまず X68k が普通に操作できる状況にはなった。

しかし…若気の至りでいろいろと変な環境を構築していて、素直に使いづらい。


UNIX 風のシェルとコマンド入れてあって、DOS とも UNIX とも違う微妙な操作感。


先に書いた通り、OS をバージョン3にしていたようだが、バージョン2用に作られていた便利なドライバなどが動かない。

特に history ドライバが動かないのは困る。


history ドライバは、X68k のコマンドライン入力を過去数百件分覚えておいて、キー操作ですぐに呼び出せるようにするドライバ。

UNIX ユーザーなら、bash で history-serch-backward / forward が使える状態、といえば理解してもらえるでしょう。


MS-DOS にはこうしたドライバはなかったので、非常に便利だったのだけど…

たぶん、X68k 使っていた末期には UNIX 的な環境にするのがうれしかったので、使えない状況になっていても気にしてなかったんだろうな。




いちおう、RS-232C クロスケーブルも購入してある。

ある程度使える環境が整ったら、別のマシンと接続して、古いファイルを吸い出してみよう。




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