2009年08月28日の日記です


ドーラと類似のアニメ  2009-08-28 11:49:38  その他

2年半前に書いた「ドーラと大冒険」の日記ページにコメントをいただきました。


で、今日は以前の日記以降にいろいろと感じた「ドーラ」にまつわる話をまとめておこうと思います。




まず、コメントの返事から。


2年半前、ドーラは東京のローカル局であるMXテレビで放映されていました。

が、その放送もとっくに終わり、現在はテレビ東京で放映されています。


名称も「ドーラといっしょに大冒険」から「ドーラ!」に変わり、主要登場人物の「リュック君」も「バックパック」という、原作のままの名前になりました。

(以降、「~大冒険」を旧作、「ドーラ!」を新作と呼ぶことにします)


コメントを下さった方が見ているというテレビ愛知版も、テレビ東京の系列局として放映されている新作です。




さて、話がややこしいのですが、原作のほうも、どうやら第1シリーズと第2シリーズがあるようです。

(厳密に区別されているかどうかは知りません。あくまでも僕個人による区分です)


現在は第2シリーズが続いている形で、この二つはオープニングの主題歌部分で簡単に区別できます。

子供部屋の実写から、パソコンに写ったドーラたちのアニメに入っていくのが第1シリーズ、アニメ+3DCGで作られているのが第2シリーズです。


で、日本語版の旧作は、主に第1シリーズを扱っていましたが、最後のほうの数話だけ第2シリーズでした。

以前の日記で「無理に英語を使おうとする」と書いたのが第2シリーズ部分。


他にも、第2シリーズでは第1シリーズに無かった趣向として「スター集め」があります。


お話の途中で「スター」と呼ばれる星たちが現れ、みんなで捕まえます。

そのうち一つは特別な力を持ったスターで、お話の終盤でその力で活躍することになります。




ところで、アメリカではドーラは放送開始からあっという間に人気者となり、他社も類似番組を作るようになったようです。


特に有名どころが、ディズニーが手がけた「ミッキーマウスクラブハウス」(以下、クラブハウス)。

これも以前はMXテレビで放映していましたが、現在はテレビ東京に移っています。

(テレビ東京で放映しているものは、後半に東京ディズニーランドの宣伝番組が入るため、お話をダイジェストにしたもの。不自然な位置で映像が途切れたりする)


これが…ディズニーファンの方も多いようなので反感を買いそうですが、ドーラを見慣れた目で見ると、子供番組としての出来が非常に悪いです。

自社コンテンツの品質にこだわるディズニーがこんなものを放映しているのか、と思うとがっかりするくらい。



まず、これは日本語版だけの問題かもしれませんが、主人公格であるミッキーとドナルドの声が悪いです。

ミッキーの声は少しくぐもった感じ、ドナルドの声はしわがれたノイジーな感じで、何を言っているのか聞き取れません。

大人の知恵で一生懸命聞き取ろうとすれば、まぁ言っていることは判るのですが…


原作の声に近いイメージで日本語版を作っているのだと思いますが、元々ノイジーな発音のアメリカ英語のイメージで日本語を発音されると、ほとんど聞き取れません。

ここら辺は「大人のファンをがっかりさせない」ことに重点が置かれているように思います。



つぎに、ターゲット年齢層が不明です。

ドーラでは、時々「テレビの前のみんな」の手を借りるような問題が起こります。それはクラブハウスでも同じで、これらの問題は主に「数を数える」とか「特定の形のものを探す」など、4~5歳向けの課題です。


ところが、クラブハウスのお話の内容は、小学校高学年くらい、10歳児くらい向けのものではないか、というようなストーリー性のあるお話が多いのです。



同じ問題が「お助けキャラ」にもいえます。

ドーラでは、困った時にはバックパックの中に入っている荷物を選ぶことで「助けて」もらえます。


クラブハウスでは「トゥートルズ」と呼ばれる謎の存在がいます。

お話の開始時点で3~4個の道具の存在が明らかになり、困った時点でトゥートルズを呼ぶと道具をもらうことが出来ます。


これが…「ちょっとひねった」ものが多いのです。

長いねじり飴があれば、木の枝に引っかかったものを取ることができる、という具合に。


4~5歳の子には判らないです。10歳なら大丈夫でしょうけど。



さらに、トゥートルズには、毎回「ミステリー」なツールが1つ、隠されています。

困ってはいるけど、どうやら使えそうな道具が無い…というときは、ミステリーが(何の躊躇も無く)呼び出され、その場に応じた適切な道具が提供されます。


これがもう、先に書いた「ちょっとひねった」問題と絡めて、4~5歳児には理解できない。

ただでさえ、道具の使い方が判らないことが多いのに、唐突に「存在が明らかにされていない」ものを使わないといけない局面がある、というのは、大人でも納得しがたいものがあります。




おそらく、ドーラとクラブハウスの大きな違いは、発達心理学者の関与の度合いでしょう。


ドーラは、毎回最後のスタッフクレジットに、数多くの発達心理学者の名前が並んでいます。

クラブハウスでは発達心理学者がどの程度関与しているのかは不明ですが、本当の子供の心を理解しないで、大人の立場から見て「こんな簡単な問題じゃつまらないんじゃない?」とか、ドーラのやり方をベースに、改良のつもりで改悪してしまっているのだ、と思っています。


いずれにせよ、出来たものは4~5歳児向けをターゲットにしているように見せかけながら、10歳程度でないと理解できないシチュエーションも時々現れ…出演キャラクターは、大人のディズニーファンが喜ぶような作りをしているのだと思います。

子供番組としては、あまり質がよろしくない。

(…と批評できる程度には、うちでも見ているのですが)




もうひとつの類似番組。


もうずいぶん前になるのですが、カートゥーンネットワークで機関車トーマスの放映を開始する際に、記念として1時間程度の特別版を流していました。(従来のトーマスは15分番組)


このストーリーが…時々、「テレビの前のみんな」の力を借りて、トーマスが起こった問題を解決するお話で、ドーラが作り上げたお話の作り方を、そのまま真似したものだったのです。


こちらの真似は、クラブハウスのような問題は無く大成功。

ただ、普段のトーマスと余りにも雰囲気が違うので、子供が戸惑ってはいましたが。


ドーラでは、「ワンパターンを繰り返す」ことで子供たちの心を掴むことに成功しています。

そういう意味では、このお話は実験的に作られた1話限りのものだったようなので、もっとたくさん作ったほうがよいのかもしれません。


ともあれ、既に人気があるシリーズまでもが真似している、ということを知り、アメリカでのドーラの人気は本当にすごいのだな、と改めて感じた次第です。





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申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています

【りおこ】 続き(連続投稿失礼):クラブハウスは私も好きではないです。ミッキーもドナルドもキャストを変えてしまうと大騒ぎになりかねなさそうなぐらいキャラクターにマッチした声ですが、後者は特に聞き取りにくいなと思いました。(ごめんなさい、山寺さん)あと、ドーラのほうに多くの発達心理学者が携わっていたのにはびっくりしました。では (2009-10-28 20:18:09)

【りおこ】 こんにちは。返事ありがとうございました。(コメントが遅れてしまってごめんなさい) (2009-10-28 20:13:50)


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