目次
03-27 ベーマガ投稿
03-27 名刺
ぎーちさんからの質問。
「繰り返しベーマガ投稿した動機は何ですか?」
ぎーちさんの場合、「今月は載っているかな」というワクワク感だったそうです。
この質問を念頭に、前回の続きの話を書いていきます。
ファミベで作ったプログラムは友達に見せたりしてました。
ゲームとしてはつまらないのだけど、お互い作ったプログラムを見せ合う、というのが楽しかった。
特に仲良かった仲間が、持っている機種がバラバラ。
FM-7、PC8801、PC6001mkII、そして、ファミベが僕含めて2人。
時々遊ぶ仲間になると、MSX、88SR、FM77AV、X1、PC-1245(ポケコン)…ファミベは計5人くらい持ってたかな。
X1 持ってたやつが SC-3000 も持ってて、使っていないというのでしばらく借りた覚えもある。
それはさておき、仲良かった FM-7 持ちが、「みんなそれぞれゲーム作ってるんだから、統一ブランド作ろう」とか言い出します。
じゃぁ、言い出しっぺのお前が何か名前考えろ、と言ったら「アンタレス・ソフト」とか言ったんじゃなかったかな。
なんで? って聞いたら、海外にシリウスソフトってあるから、星の名前ならいいんじゃない? という理屈でした。
それだと物まねだから、違うものにしようと言ったら、「ベテルギウス、アルタイル、カペラ、ベガ」って、知っている星の名前を適当に言ってきます。
だから、それじゃ物まねだから星から離れようよ、と言ったら「オリオン」。
単に星の名前ではなく星座になった。まぁ、ちょっと離れた。
ただ、オリオンって…駄菓子みたいだし、あまりにも知られ過ぎてる星座でカッコよさが無い。
「じゃぁ、ペガスス」と言われます。うーん、まぁ、オリオンよりはいいかな。
…ということで、統一ブランドは「Pegasus soft」に決定。
ところが、この頃からファミコンブームが本格化して、みんなゲーム作るより、買ってきて遊ぶのに夢中になっちゃった。
統一ブランド、とか言い出した奴が、真っ先にゲーム作らなくなったように思います。
結局、この名前使っていたのは、僕ともう一人のファミベー使いの二人だけになりました。
ファミベ買ったけどプログラム組めない奴が、V3買ったら組めるようになるんじゃないかと期待して買いました。
でも、当然組めるようになんてならない。
半額でいいから買わない? と持ち掛けられ、喜んで買い取ります。
V3って、ファミベのバージョンアップ版ね。
命令も増えたけど、最大の違いは容量が 4Kbyte と倍増したこと。
倍増してもまだまだ狭いのだけど、その時の僕には広大な地平が広がったように思えた。
何か壮大なゲームを作ってやろう、と画策します。
なにかで、3D迷路のマップ表現方法を知りました。これ使ってみよう。
ただの迷路じゃ面白くないから、RPG風にして、アイテム拾いながらゴールを目指すことにして、戦闘シーンはアクションゲームで、ヒントを組み合わせる謎解き要素があって…
こういう壮大なことは、考えている時が一番楽しい。
作ってみると、4Kbyte ではとても収まりきらない。
でも、完成品を Pegasus soft の名前でベーマガに応募したら、掲載されました(1986年8月号)。
このゲームを、わざわざ打ち込んでニコニコ動画にアップしてくれている人がいました。ありがとうございます。
コメントでいろいろ書かれていたので、こんなところで返答。
・名前入力に INPUT 使ってないのは、ファミコンだからパッドで入力したかったんです。
RUN した後はキーボードに触らせたら負けだと思っていました。
・名前入力プログラムは3行で書かれています。メモリはたいして使ってません。
ハイスコア時に名前入力させたりするのを良く作ったので、非常に短く書けるようになりました。
・戦いが意味不明。僕もそう思います。
先に書いたように、戦闘はアクションゲームにしたかった。でも、メモリが無い。
少ないメモリで作るために、ファミベ特有の MOVE で動かして、それらしく仕立てたのだと思います。
・敵の HP を十分減らしてから「逃げる」と、敵を助けてあげたことになり、ヒントを貰えるのではなかったかな…
ヒントは、プログラム入力中に見えてしまわないように暗号化されています。
ゲームとしては、実は自分でもつまらないと思ってた。
でも、いろいろ詰め込み過ぎて改良の余地はあまりなかった。当時の自分にとってはね。
プログラム自体は、Dr.D に「ファミリーベーシックのゲームのレベルもずいぶんとあがってきたものだ」と褒められました。
このプログラム、掲載されたものにバグがあります。
送ったプログラムとは違うものが掲載されている。1命令化けているんです。
ファミベにはプリンタはありません。
当初、ベーマガではリスト表示した画面を撮影し、何枚も縦に並べてリストとして掲載していました。
でも、別雑誌の Beep! では、FM-7 を使ってファミベのカセットテープを解析し、プログラムのプリントを行うプログラムを掲載し、使っていました。
ベーマガでも、ある時期からこのプログラムを使用する許諾を受けて使っていたはずです。
恐らく、このプログラムは「読み込んで印刷する」のですが、「読み込み時のエラーチェックは特にしていない」のではないかと思います。
だから命令が化けて印刷されてしまった。
掲載された号を見て、すぐに気づきました。
このバグ致命的で、そのままではゲームが終わらせられないはず。
ベーマガには、バグ修正の「で・ば・ぐ」というコーナーがありました。
きっと、来月の で・ば・ぐ に訂正情報が載るよね…と思っていたけど載らなかった。
遊んでくれた人がいたら、クリアできないのはおかしいと編集部に問い合わせるのではないか。
訂正が載らないということは、誰も打ち込んでくれてないのではないか。
載ったのに、誰も遊んでくれてないという推察で凹みました。
やっぱV3ユーザー少ないし、メモリいっぱいまで使ったからリスト長いし、よくなかったよなぁ…
またベーマガに投稿しました。
V2でも動作するゲーム。1行プログラム5本組。
5本とも、ベーマガの他機種のプログラムの移植です。
ただし、元はそれなりのサイズだったものを、大胆に単純化して、1行に納めている。
1行だったらみんなに遊んでもらえるだろう。
これは、別冊で発売された「ファミコン・プログラム大全集」(1987年2月)に掲載されました。
ただし、3本に減らされていた。
こちらも、ニコニコ動画にアップされています。先ほどと同じ方。ありがとうございます。
「これ入力したよ」というコメントもあった。
1行だったら入れてもらえるだろう、というのは目論見通りだったみたい。
このプログラムは、ゲームを作る、というより、作ることをゲームとして楽しみました。
1行に納めるって、制限きつすぎて、パズルみたいなプログラムになるのね。
…僕も時々やります。
さて、冒頭の質問「投稿の動機は?」の答え。
僕にとっては、作ったゲームを見てもらえる、ということが最大の喜びでした。
それは、友達に見せているだけでもいい。
でも、もっとたくさんの人に見て、遊んでもらえるならもっと嬉しい。
ベーマガに載れば、全国の人が遊んでくれる。
そう思って投稿しました。
…だからこそ、「で・ば・ぐ」に訂正情報が載らなかったことで、誰も遊んでないのではないかと思うと凹んだのです。
2回目の投稿が1行プログラムだったのも、「これなら遊んでもらえるだろう」と思ったから。
2回投稿して2回載ったので、「ファミベはマイナー機種だし、投稿も少なくて狙い目なんだろう」と思いました。
#ぎーちさんのような「今月載るかな、というワクワク感」は味わってないわけです。
後で知ったけど、投稿少ないというのは、ものすごい勘違いね。投稿の多い、激戦機種の一つだったそうです。
だから別冊まで発売されていたらしい。
でも、ともかく当時は勘違いして、送れば載るだろうと考えた。
そして次の投稿の準備をします。
…その時、学校が休みに入って通知表が出た。
ものすごく成績落ちてました。家帰ればゲーム作っているし、授業中もゲームのアイディア考えているんだもの。
これで父にすごく怒られ、ファミコン禁止令が出ます。
これで、投稿も出来なくなりました。そうならなければもっと投稿していたと思います。
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今日は昔話が長くなったので、「今」の話はさらっと。
一応、昔話と今の考えの2本一組で毎日書いているのですが、今後も常に2本続けるかはわかりません、と断っときます。
ぎーちさんに渡した名刺、普段から使っている物なのですが、裏にこんな似顔絵が描いてあります。
僕は絵は全く描けないので、人に描いてもらったものなのだけど。
判る人にはわかりますね。
ベーマガ表紙のマイコン少年のパロディです。
ベーマガの話をしましょう、ってぎーちさんと会って、名刺交換して、裏にこんな絵が描いてあるのに説明し忘れた(笑)
画面に「LD A,n」とあるのは、ベーマガではなくて Ah!SKI のネタ。
今日はこちらを解説しようと思って書いてます。
Ah!SKI っていうのは、ASCII のパロディ版。1980年代に、毎年4月に発行されていました。
この内容が、かなりコンピューターに詳しい人じゃないと意味不明なネタが詰め込まれている。
1984年版に、「機械語で会話する少年現る」という小さなニュース記事が載っていました。
テレビ番組「びっくり人間大集合」のために来日した中国のキム少年は、生まれた時からコンピューターに囲まれて育ったため、人間の言葉よりも機械語を覚えてしまい、機械語でしか会話できない…とかいうネタだったと思う。
#探せば当時の雑誌があるはずなのだけど、今は正確性はどうでもいい。
1984年は、パソコンはじめてすぐ。Ah!SKIをたまたま入手したのだけど、内容難しすぎてよくわからなかった。
20年以上たってから読み返したら、すごい高度なギャグが満載で面白かったけど。
このネタはそれで終わり…だとおもったら、翌年の 1985年ではさらに大きな記事になります。
まさかの1年越しの連続ネタ。
「キム少年の&HFFFF人のマシン語会話」だったかな。
「早見優の100万人の英会話」のパロディ。
そこで、Z80 での会話が例文付き、イディオムの解説などもついて載っているのです。
#こちらは、見たのは大学生になってから。部室に置いてあった。
その時には、ネタの意味が多少はわかるようになっていました。
LD A,n ; 私に n だけご飯をください。
LD B,n
LD A,B ; 私に n だけご飯を奢ってください。
SRA B
LD A,B ; 割り勘にしましょう
CP B
JR Z,3 ; 3軒先の店ではどうですか?
JR 2 ; 2軒先の店にしましょう
…だったかな。これも調べれば正確に書けるけど、雰囲気がわかってくれればいいです。
もっと長い、実際ありそうなシチュエーションの会話例として載っていた。
他にも、人に物を訪ねるときには肩を叩いて NMI 割り込みを起こしたうえで、
PUSH AF ; ちょっといいですか?
で会話をはじめ、もちろん最後は
POP AF ; ありがとうございました
RETN ; さようなら
で締めくくる、とか書いてあった気がする。
… Z80 を理解していないと意味わかりませんね。でも、このネタ大好き。
端の方に、コラムで 6809 方言ではここに注意、みたいなことも書いてあった。
在宅プログラマなのであまり名刺を使うことは無いのですが、他にもいろいろネタ仕込んでます
プログラマでないとわからない…いや、プログラマでもわからないようなのばかりだけど。
見てみたい人は、お仕事でご一緒出来れば名刺差し上げます。
LD A,n ; 私に仕事をください!
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