2021年03月01日の日記です


IdeaPad Duet の使い勝手(2/2)  2021-03-01 11:24:01  コンピュータ

さて、前の記事では Duet が素晴らしい、ということをざっくりと書いた。


ここから先は、細かな使い勝手について書いていこうと思う。

あくまでも個別論だし、実際に使ってみないと分かりにくい部分も多いと思う。

それでも、今注目されている機械なので、購入を検討している人のお役に立てればと思う。




最初に、言葉を見直しておこう。ここまでにもすでに使ってしまっているのだけど。


Chrome は、Google が開発した Web ブラウザのことだ。

PC 用と Android 用がある。


Android 用は、PC 版から多くの機能が削除されているサブセット版だ。

別のものだと思っていいほど違う。



Chrome OS は、PC 版の Chrome だけが動けば良い、という前提で作られた OS だ。


Web サービスだけ見られれば十分、ということは案外多い。それなら Chrome だけが動けばよい。

現在では、当初の目的から少し方向が変わり、Android のアプリも動かすことができる。



Chromebook は、Chrome OS を採用した PC 製品群に付けられたブランド名だ。

今回僕が購入した IdeaPad Duet も、Lenovo 社から発売されている Chromebook だ。


Lenovo の製品としては、Windows でも IdeaPad シリーズとなっているものがある。

なので、この記事中では Duet と呼ぶことにする。



▼Chrome の使い勝手


Chromebook の話をするのだから、まず Chrome の使い勝手について書こう。

PC 版なのだから Windows などと同じ…と書ければ楽なのだが、そうではない。


まず、フルセット版だ。

機能拡張が使えるし、Android 版にはない「全画面表示」機能もある。

デベロッパーツールだって使える。


でも、PC 版と同じではなく、独自拡張もある。


まず、全画面モードの際の UI が少し違う。


Windows 版を使っている人は、F11 キーを押してみよう。

Web コンテンツが、全画面で表示される。これが全画面表示だ。


ウィンドウの最大化と違って、Chrome の UI であるURL バーやタブも消える。


UI が消えるということは、タブ切り替えなどもできないということだ。

(キーボードショートカットは効くのだけど)



Chrome OS の Chrome では、この状態でも画面上端にマウスカーソルを持っていくと、URL バーやタブが表示される。

この機能がすごく便利。PC 版にも付けてほしい。


まぁ、Chromebook は低価格を狙った機種が多く、PC ほど画面が広くないので、「全画面表示を使うことが多い」ことに考慮したのだろう。

PC では全画面表示はプレゼンなど特別なときにしか使わず、その際には余計なインターフェイスは表示されないほうが良い。



もう一つ、PC 版にはない、拡大表示操作が可能になる。

これ、表示倍率を変える「ズーム」機能とは違うものだ。2本指によるピンチ操作で自由な倍率で拡大できる。

拡大しているときでも、Chrome の「ズーム」は 100% のままなので、別の機能だとわかる。


Android では自由な拡大はあたり前のことだし、便利なので取り入れられた機能だろう。


なお、常に自由に拡大できるわけではない。表示サイズが重要で CSS で指定してあったりすると、拡大できないようだ。



まだある。

Chrome OS をタブレットモードにすると、Chrome もタブレットモードになる。

この時、タブ部分は隠され、URL バーは Android 版のように、スクロールに合わせて出たり消えたりする。


ただ、Android 版と違って、この状態でも明示的に「全画面」を指定すると、URL バーは消えっぱなしになる。

この場合でも、画面上部から下向きにフリックすると URL バーが出てくる。


これがまた、非常に便利。

Android 版の場合、ページめくり式の漫画とかを読もうと思う、下に向かってスクロールできず、URL バーが消えないんだよね。



URL バーが出ているときにもう一度、上部から下方向にフリックすると、タブ切り替えの UI が出てくる。

ただし、この UI はタブではなくて、サイトイメージを並べたリストになっている。


これは、指で選択しやすいように大きく表示することが目的のようだ。

大きくなったため、量が多いときは横スクロールして表示する。


これは便利機能というより、操作のために必要だから付けた機能だろう。


他に気づいていないところもあるかもしれないが、主な違いはこの程度だ。

便利にするために追加された機能はあるが、PC 版の機能は、おそらく全部使える。


だから、サブセットの Android 版では見られなかったようなサイトでも、全て見られる。

Web サービスも全て受けられる。



もっとも、それができなくなったら、Chrome OS としての意味がないと思う。




Chrome OS は、もともと Chrome 上で動作する Web サービスをアプリとして使用するものだった。

なので、よく使うページがあれば、積極的にアプリとして登録しよう。


これには、「ショートカットを作成」機能を使う。

作られたショートカットは他のアプリと同列に並べられ、アプリとして実行できるようになる。

まぁ、Chrome のショートカットだから、新しいタブで Web ページにアクセスするだけなのだけど。


じゃぁ、ショートカットではなく、ブックマークに登録しても良いのではないか、と思う人も多そうだ。


でも、そうではない。

後で書くけど、アプリは実行しやすいような工夫がある。

だから、Chrome のブックマークに登録して呼び出す、というのより、ずっと使い勝手がいいんだ。

ショートカットを多用することをおすすめする。



▼Android アプリの使い勝手


つづいて Chrome OS のもう一つの顔、Android アプリの実行環境を見ていこう。


Duet 購入前は、Android アプリが、スマホのエミュレート環境の中で動くような感じかな、と思っていた。

縦に長い固定サイズのウィンドウが開いて、その中でスマホのアプリが動く、みたいなイメージ。


しかしそうではなかった。もっと高いレベルで実行環境が OS に統合されており、Chrome と同じレベルで使うことができる。


まず、PC モードの場合、Android アプリはウィンドウ内で実行される。

ウィンドウのタイトルバーの左端には「戻る」ボタンがあり、右上にはウィンドウを操作するボタンが並ぶ。「閉じる」ボタンを押せばアプリが終了する。


ウィンドウをリサイズすればそれに合わせて適切に表示されるし、マウスカーソルでテキストを選択して、コピーすることもできる。


つまり、Android アプリだからといって何も特別なことはなく、ごく普通のアプリケーションとして使用できるのだ。


Duet の場合、初期インストールアプリとして入っている Gmail は、Android 版だ。

Chrome しか使えなかった初期の Chromebook では、Web 版 Gmail へのショートカットがアプリとして入っていた。


つまり、「Android アプリも実行できる」などという選択肢の一つではなく、Chrome OS にとっては Android アプリは必要なものだという認識なのだろう。


…でも、Gmail は Web 版のほうが便利。

アプリ版だと、未読を全選択して既読扱いにする、とかできないから。


先に書いたように、Chrome からアプリとして登録しておくと良いだろう。

(個人的な好みの問題もあるが)




Android アプリは、タブレットモードのときに操作が大きく変わる。

まず、Chrome と同じように全画面表示が基本となる。


実は、画面分割して2つのアプリを同時に表示することはできる。

これは、Android 7 相当の機能だね。


また、アプリが対応しているならば、ピクチャー・イン・ピクチャー表示にもできる。

これは Android 8 相当の機能だ。


しかしまぁ、全画面表示が基本だ。ここらへん、Android のスマホやタブレットと変わらない。


しかし、一つ困ったことがある。

Android アプリの操作に、Android の OS が用意する、画面下部の3つボタン…「戻る」「ホーム」「タスク」は必須だ。

しかし、Chrome OS にはこの3つボタンがないのだ。


もちろん、操作方法は用意されている。しかし、使い慣れた方法ではない、というだけで、最初は戸惑うことになる。


まず、「戻る」の操作は、画面左端から右に向かってスワイプだ。

すると、左矢印のアイコンが現れる。引っ張るとだんだん色が付き、十分引っ張ったところで色が反転する。


この状態で指を離すと「戻る」動作が行われる。

ちなみに、この操作は Chrome でも使える。Chrome は URL バーの左側に戻るボタンがあるけど、Android と同じ操作も使えるので、わざわざ操作を使い分ける必要はない。


次に、「ホーム」と「タスク」だけど、途中まで操作が共通している。


画面下から上に向かってスワイプすると、中央あたりで画面が全体に縮小される。


このまま上に向かって指をはらうと、画面は飛んでいってホーム画面が現れる。

中央あたりで指を止めて一瞬待つと、現在動いている他のアプリも縮小画面で現れ、タスクリストが表示される。


ちなみに、どちらも「中央辺りまでスワイプ」が必要で、それより短い距離だと別の動作になる。

後で書くが、アプリ起動を行うためのシェルフの表示だ。


初期の頃から、Chrome OS では画面下部にシェルフを表示していたので、これは仕方のない操作だと思う。

でも、距離によって違う意味になるというのは、慣れればともかく初心者には非常に分かりづらい。


画面下から短いスワイプというのは、Android では「隠れている3つボタンを表示」だ。

慣れる前は、ついこの操作を多用して、シェルフが表示されてがっかりした。


「シェルフと一緒に、Android で慣れた3つボタンを表示」なんて機能が将来のアップデートで付けばよいのに、と思う。


▼アプリの起動方法


上に書いた「シェルフ」について説明しようと思うのだが、便宜的に一緒に4つの概念を紹介する。


デスクトップ、ランチャー、ホーム画面、そしてシェルフだ。


まず、デスクトップ。Windows のデスクトップと同じで、いくつかのウィンドウを重ねて表示したときに、「なにもないところ」に表示されるものだ。


表示するものとして「壁紙」の絵を設定できる。

でもそれだけ。Windows のようにアイコンを置いたりはできない。


次にランチャーだ。

キーボードに呼び出すための専用キーがついていて、いつでも呼び出せる。

画面上のマウスカーソル操作でも呼び出せる。


ランチャーは画面全体を覆い、アプリのアイコンが並んでいる。アプリ以外のファイルなどは入らない。

アイコンはある程度整理可能だが、必ず左上に詰めて表示されので、自由に置けるわけではない。


Windows ではデスクトップによく使うものを置く人も多いと思うが、実際にはデスクトップは実行中のウィンドウに隠されてしまっていてアクセスしづらい。

だから、デスクトップにはなにも置けないようにして、現在実行中のウィンドウの上に重ねて表示できるランチャーを用意したのだろう。


Chrome OS の標準状態では、画面下部には Windows のタスクバーのようなものが表示されている。

そして、左端にランチャーを呼び出すボタンがある。


Windows なら、Windows アイコンがある場所だね。

そして、Windows ではこれを押すと、登録されたアプリのリストが表示される。


つまり、ランチャーはそれと同じことだ。


つづいては、ホーム画面。


上に書いた、デスクトップとランチャーは、PC モードでだけ現れる概念だ。

タブレットモードではなくなってしまう。


デスクトップはウィンドウの隙間に見えるものであり、全画面表示のタブレットモードでは不要だ、ということだろう。

でもランチャーが消えてしまうのは何故?


デスクトップモードでは、代わりにホーム画面という概念が現れる。

実際には、ランチャーの背景に壁紙の絵が貼られただけなのだけど。


ランチャーはいつでも呼び出せて、画面を一時的に覆うものだった。

使わないなら、先程までの画面にすぐ戻せる。


しかし、ホーム画面は画面が切り替わるもので、一時的ではない。

単にホーム画面を「消して」直前の画面に戻ることはできない。


でも、概念の違いはその程度だ。

つまりは、Android で慣れ親しんだホーム画面と同じようなものだ。



最後にシェルフ。

さきほど「タスクバーのようなもの」があると書いたが、実はこれがシェルフだ。

よく使うアプリのアイコンを固定しておくことができるし、現在実行中のアプリも表示され、タスクスイッチできる。

固定したアプリに関しては、いちいちシェルフを表示しないでも、キーボードショートカットで呼び出せるようになる。


Chrome OS での、アプリ起動の要となるものだ。



先程、タスクリストを表示する方法がわかりにくいという話を書いたが、そこで「Android のように操作するとシェルフが表示される」と書いた。


シェルフはタスクリストの機能を兼ねるので、実はこれでも操作することは可能だ。

(ホーム画面にもどる機能はないけど)



▼文字入力


Chrome OS を使っていると、標準では google 製の日本語変換エンジンを使うことになる。

多分、google 日本語入力なのだけど、正確なところはわからない。


変換効率などはとりあえず置いておこう。キーボードで使っている限りでは、それほど問題はない。

問題は、タブレットに切り替えたときなのだ。


タブレットモードだと、ソフトウェアキーボードが出てくる。

英語を想定した Qwerty キーボードだ。


日本語入力時も、Qwerty キーボードでローマ字入力になる。使いづらい。

タブレットなのだから、Android のようにテンキーフリック入力したい。



実は、この「文字入力」にも、Android のアプリが使える。

Android では、ソフトウェアキーボードは独立したアプリになっており、ユーザーが好きなものを使えるのだ。


そして、Chrome OS では Android アプリが動くだけでなく、ソフトウェアキーボードにも Android のものが使える。非常に互換性が高い。頑張っている。


ただ、ちょっとバグ含み。

Duet の場合、キーボードを接続すると物理キーボードを使うように自動的に設定が変わる。

そして、キーボードを外すと、標準のソフトウェアキーボードになってしまう。


つまりは、タブレットモードにするたびに、Android のソフトウェアキーボードを使うように再設定する必要がある。面倒くさい。


将来の Chrome OS のバージョンアップで修正されることを期待。


▼キーボード


これは、Chrome OS ではなく、完全に Duet の話だ。

Duet は 10inch タブレットで、そのサイズに合わせた物理キーボードが付属している。


Bluetooth 接続などではなく、専用の接続端子を使っている。そのため、キーボードを充電したりする必要はない。


このキーボード、10inch ディスプレイに合わせてあるのでキーが小さい。

人によっては、こんなものでタイプするのは無理だと言う。


でも、僕はそれほど苦にならない。

元々小さなマシンが好きで、小さなキーボード色々使ってきたからね。


小さなマシンの変態キーボードを色々使っていた人間としては、Duet のキーボードは悪くない。

キーの感触もしっかりしているし、打鍵しやすい部類だろう。


ただ、打鍵のしやすさと、指になじむかは別問題だ。

個人の好みなので、これ以上は何も言えない。



▼インターフェイス


キーボードのついでに、インターフェイスがらみの話を。これも Duet の話だ。


Chromebook は PC の扱いなのだけど、Duet はタブレットで、どう見ても Android タブレットに違う OS を入れただけ、と考えてよいと思う。

そのため、PC としてのインターフェイスは貧弱だ。


USB-C が1つしかない。イヤホンジャックすらついていない。

ただ、標準で USB-C からイヤホンジャックに変換するアダプタが付いてくる。


USB-C という企画は、いろいろな信号を引き出せるように設計されている。

だから、変換アダプタさえ購入すれば、十分な拡張性がある。


HDMI を使って外部モニタにつなげる事もできるし、普通の USB コネクタ(USB-A)で周辺機器をつなぐこともできる。


まぁ、つないでもドライバがないものも多いけど。

USB メモリとか、USB HDD は使えるようだけど、僕は実際試していない。


軽量タブレットに、外付けの拡張アダプタまで使っていろいろ拡張する必要があるのかは疑わしい。

でも、ちゃんと PC らしい拡張性は確保されているようだ。


▼OSの軽量さ


さて、ここで Chrome OS の形容詞のように言われる、「軽量」について書いておきたい。


そもそも論だが、Chrome 自体が「軽量なブラウザ」を目指して開発された。

しかし、軽量さで人気が出ると、ユーザーの多くは「高機能」を要望し、高機能には代償が必要だった。

結果として、現在のところ「メモリをバカ食いする困りもの」とする人が多い。


Chrome OS の開発がスタートしたころは、まだ Chrome 自体が軽量だった。

そして、OS 自体も Chrome だけを動かすことに目的を絞り、機能を削ぎ落せば軽量な環境になる、という計画だった。


しかし、現在では Chrome 自体が軽量でなくなり、Chrome OS 自体も Chrome 以外に Android アプリや Linux 環境も動かせる、互換機能を持つようになった。


Chrome OS は起動が速い、とされるが、昔使っていた Chromebook に比べ、Duet は起動が遅いように感じる。CPU 速度は上がっているにもかかわらず。

といっても、8秒程度。Android や Windows に比べると、ずっと起動が速い。


まぁ、実際に使っていると起動することはほとんどない。

普段はスリープしておく。これだと、復帰までは1秒かからない。




ここからは少し内部の話になるが、「Chrome OS」というのはある程度言葉のあやで、実際には Linux OS の上に、Chrome のユーザーインターフェイスをかぶせたものにすぎない。

もともと、Chrome さえ動けば良いので、CPU 種別を問わないという設計だった。


同じように、Android は Linux の上に Android の実行環境をかぶせたものだ。

この Android 環境というのはよくできていて、CPU を問わずに同じアプリを使える、という仕組みになっている。

その分、OS には余計な仕組みが増えており、起動は結構遅い。

しかし、Chrome OS はこの環境を取り込んでいるにも関わらず、非常に高速に起動する。


現在の Chrome OS は、Android も内部は Linux なのだからと、Android の実行環境を取り込んだ格好だ。

といっても、これは簡単なことではない。Linux が中心にあるといっても、周辺のソフト環境は全く異なるものだからだ。


そこで、Docker という仮想環境をつかうことで、異なる Liinux 環境を共存させている。

ユーザーが自由に使える Linux 環境も提供されているが、これも内部の Linux を見せているわけではなく、仮想マシンだ。


軽量と言われているが、結構複雑な仕組みだ。


これほど複雑ではない、初期の Chromebook は、面白い環境ではあったが僕としては「遊べるおもちゃ」程度の評価だった。

Chrome さえ動けばできることは多い、というのを見事に実証してみせたけど、それだけ。

実用にするにはなにかが足りなかった。


しかし、Android 環境を統合したことで、その足りなかった何かが満たされたように思う。

Chrome さえあれば、という初期の理想とは異なっているのだけど、名を捨てて実を取ったのだろう。


▼Bluetooth


Android と違って待受がないことで、僕の使い方では1つだけ不便になったことがある。


先に書いたように、僕は家事の際に Prime Video を楽しんでいる。

このとき、まず Bluetooth イヤホンの電源を入れる。


Android タブレットであれば、すぐに本体に接続して、画面が点灯した。

しかし、Chrome OS では接続できない。スリープ中で CPU が動いていないからだ。


そこで、本体の電源に手をのばす一手間が増える。

たいしたことではないのだけど、これも Chrome OS が PC だから起きる現象だ。


さて、料理をしながらビデオを見ていると、電子レンジを使うときに困ったことになる。

電子レンジの電波周波数は、Bluetooth と同じ帯域であり、通信障害を起こすのだ。


通信障害を起こすと、音声が途切れる。まぁ仕方がない。


Android では、途切れた音声は再送され、少し途切れて続きが聞こえる。

でも、この間も動画は止まらない。結果的に動画と音声がずれる。

あまりずれすぎると、音声を送るのを諦めて間が飛ばされる。


しかし、Chrome OS では、音声が途切れて再送されるときに、動画も一瞬停止する。

このため音ズレは起きないが、動画再生がカクカクになる。


どちらが良いという話ではなく、Android アプリの実行環境はあるが、完全エミュレートなどではなく Chrome OS の機能を使ったものだ、という話なのだ。

動画再生などの機能は OS が提供しているが、その部分の違いで動作に差が出る。


これは、Android アプリの実行環境が、無理やり後付したような不格好なものではなく、ちゃんと OS の深い部分に組み込まれているという証拠でもある。


最初の方で書いたが、ディスプレイ解像度を変えてもちゃんと動作することとか、Windows のリサイズでもちゃんと動作することとかと併せ、非常に良くできている。


▼Android 端末との連携


Chrome OS には、Android 端末を Bluetooth 接続に登録することで、色々と便利にできる機能がある。


まずはログイン時。ロック解除されたスマホが近くにあれば、正当な持ち主によるログインだとみとめられ、パスワード入力などを省略できる。


ただし、電源を入れて最初のログインは、正しいパスワードを必要とするようだ。

また、スリープからの復帰時にパスワードを必要とするかどうかは設定で変更できる。


なので、僕はこのログイン機能を使っていない。

あまり外出しないからそれで良いのだけど、Chromebook を持ち歩く人は、紛失に備えてスリープ復帰時にもパスワードを求めたほうが良いだろうね。


次に、ネットワークのテザリング。

ChromeOSが WiFiネットワークに接続できないとき、スマホのネットワークを利用してよいか訊ねてくる。使うことを許可すると、スマホ経由で WiFi なりモバイル通信なりを使ってネットワーク接続する。


実のところ、Android には Bluetooth テザリングという機能があり、Bluetooth 接続を経由して他の端末のネットワークを利用できる。

でも、その機能を使うのは結構面倒だ。利用するたびに、両方の端末で操作が必要になる。周囲のマシンに勝手に通信を行われるって、色々と問題あるからね。


Chrome OS では、このテザリング機能を使っているわけではなく、連携の一環としてのテザリングを行う。

だから、Android 側のテザリング機能が OFF になっていても使える。

最初に登録しておけば、以降は Android 側で操作する必要はない。


これは素晴らしい機能だ。



もうひとつ、SMS を Chrome OS に受け取ったり、送信したりする機能がある。

ただ、僕は普段 SMS を使わないので、この機能はまだ使っておらず、詳細がわからない。


スマホのメッセージ機能はスマホメーカーが独自に作ったものが入れられていることが多いが、Chrome OS と連携できるのは Google 製 SMS を使っているときだけ、という問題もある。

僕は SMS を使わないので、わざわざ Google 製を入れてまで動作確認してみようという気が起きない。



▼その他


Chrome OS は、ローカルにファイルを置かない前提で設計されていた。

ファイル置き場としては Google Drive を使う。


しかし、フルセットの Chrome なので、ファイルをダウンロードすることができる。

これは当然のことながらローカルに置かれる。


このファイルを見るためのアプリは、初期の Chrome OS から用意されていた。


このアプリは結構できが良くて、ローカルファイルと Google Drive のファイルを見ることができた。

さらに、機能拡張を入れることで、Dropbox や マイクロソフトの OneDrive 、家庭内の NAS や Windows マシンでの共有ファイルも見られた。


Duet のファイルアプリを見たら、家庭内の NAS や Windows に関しては、機能拡張無しで見られるようになっていた。

地味な改良だがありがたい。


僕は家庭内で持ち運んで気軽に使えるマシンを求めているので、家庭内のファイルに自由にアクセスできるというのは大切なことなんだ。


▼まとめ


IdeaPad Duet は現在大人気機種で、使用記を書いている人も多い。

僕も、そうした使用記を見て、よく検討してから購入したのだが、やはり自分で使ってみないと実感できない事は多かった。


おそらくは、使う人を非常に選ぶマシンだ。


最初に書いたとおり、PC とスマホの隙間を埋めることができる。

だから、すでに PC とスマホを持っていることは前提だ。できれば、Windows と Android がいいだろう。

Chrome OS の操作系は Windows を参考にしたものだし、動作するアプリは Android だからだ。ついでに言えば、Android と連携して通信を行う機能もある。


MS Word は動くか、というのは愚問だ。

上に書いたように、それは Windows の仕事だから。でも、下書き原稿を作ることはできるし、すでにできた原稿を、ある程度互換性のある Google Docs で見ることはできる。


Web 版 Office や Android 版 Office が使える、と書いてあるページも多いのだが、あまりおすすめしない。それらは結局 Word 互換の、Word ではないソフトだ。


ならば Word は使えない、と割り切ったほうが良いし、Word が使えないとだめなら Windows サブノートを探すべきだろう。


しかし、できないこともあると十分理解して使うのであれば、非常に軽くて小回りが利き、それでいてちゃんとパソコンとしての性能を発揮できる機械、というのはいい相棒になるだろうと思う。



(この記事は、Duet で Google Docs を使って大まかに下書きした後、Windows で仕上げた。

 そういう使い分けがやりやすい、というのもポイントの一つだ)




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