目次
03-17 自宅待機
03-17 「輪番」停電について
東北地方の大震災で、とりあえず自宅待機生活。
いつもう一度大きな余震が起こり、ライフラインが停止するかわからない、という覚悟で望む。
最初の揺れでも水道は使えたけど、念のため麦茶用のボトルなどに水を取り、順番に使うことにする。
充電池は電気が使えるうち、かつ電力需要が低いはずの昼間・深夜に充電しておいた。
もともと、子供のおもちゃ用、および仕事柄電子機器に囲まれた生活をしているので、充電地(エネループ)を3ダース以上持っている。
また、家はオール電化で深夜電力が安いので、充電モノは深夜に充電する生活を送っていた。そのために時間で通電を ON/OFF できるタイマーも持っている。
すばやい情報を得るため、ラジオで NHK を付けっぱなし。ちなみに、このラジオは太陽電池のついた充電式だ。神戸震災のしばらく後に、安く売っていたのを買い求めた。
(神戸震災の時は、直後に防災グッズの需要があったのでお店もたくさん仕入れていたが、しばらくしたら「不良在庫」となって安売りしたりしていた)
いつ何が起こるかわからないので、週末の2日間は家で缶詰生活。
当初は緊急地震速報に驚いていた子供たちも、徐々に「音が聞こえたら安全な箇所に逃げ込む」というゲームのように捉え、楽しみ始めた。
ラジオで不協和音がなると、キャーキャー笑いながら「安全」だと教えてある場所に逃げ込む。
親もそこに行って、皆を抱きかかえる。これがまた嬉しいようだ。
こんな状況の中でも笑いが絶えないのはありがたい。
とはいえ、電気がないからとテレビをほとんど見ないのは、子供たちにとっての一番の不満のようだ。
電力需要が少ないはずの時間帯を狙ってなら、僅かな時間テレビを解禁している。
(普段からハードディスクレコーダーを使っているので、放映時間、という概念は余りない)
長男(6歳)は、稚拙な概念ながら、これが大惨事である事を理解している。
長女(3歳10ヶ月)は、まだ惨事と言う概念はないようだ。新聞写真などを見ても「おうち燃えてるー」程度で、人の生き死にと言う想像には至らない。
次女(1歳10ヶ月)に至っては、なぜ毎日外出できないのか理解できず、玄関を指差したりして外に出たい意思を表明する。
月曜日。輪番停電の開始。
政府の「通勤通学の自粛」要請を受け、市でも保育園の保育自粛を決定したようだ。
保育園から連絡網で、可能なら自宅待機を、と通達があったため、自宅待機とする。
状況把握のためにラジオは手放せないが、外遊びも行うことにする。
といっても、家から 5m のところにある広場だけ。
それでも、近所の保育園友達が遊びに来ていて、皆で楽しそうに遊んでいる。
自分は通勤も何も、普段から自宅で仕事をしている。
しかし、この日は交通網が大混乱だったそうで、遭遇した方はお疲れ様。
初日は、うちの停電時刻は、15:20~19:00 の予定だった。
このうちの最大3時間、なので、4時前に夕ご飯を作ることにする。
もし 15:20 から停電が始まってしまった場合は、18:20 には終了するので、それから料理をしても良いだろう。
米は、うちの炊飯器は釜が厚いので、炊き上げてから電気を消しても、2時間くらい暖かいまま。
おかずは密閉容器に入れて、電子レンジで温めた「ゆたぽん」と一緒に保温バッグへ。
結局、この日の停電は見送られたが、2時間後の18時に食事を食べても、十分な暖かさを保っていた。
震災当日に「暗闇生活」も経験しているし、料理にも問題が無いとわかった。
工夫次第で当面乗り切れそうだ。
オール電化は昼間電力が高い、と言う理由でもともと家電品を余り使わないように心がけている。
電気ポットは使っていない。薬缶でお湯を沸かして、ポットに入れている。
ただ、このポット、某ホームセンターチェーンのオリジナルブランドで、1.8リットル容量を980円で購入したものだが、保温能力が低い。
というか、熱湯を入れたら外側が暖かいってダメだろ。熱が逃げているのが判るレベルなんだから。
そのため、普段から妻の手製の「服」を着せているのだが、先に書いた夕食時の知恵から、さらに保温バッグをかぶせるようにしている。
これと一緒に、有名魔法瓶メーカーの500ミリリットルの携帯用ポットも使用。
これで、3時間の停電の間、コーヒーを飲むのに困らないくらいのお湯は確保できている。
また、停電しない時でも、できるだけ節電には協力している。
震災以来、暖房(我が家は全部エアコン)は使っていなかった。
…過去形なのは、今朝4時半から6時に使ったから。今朝は寒かった(外気温0度)ので。
電力需要の少ない時間なので許していただきたい。
煮物を作る時、火が通ったら鍋全体を布で包んでおいて置くと、ゆっくりと具材に火が通り、おいしく仕上がる。
(料理の際、強い温度に晒しすぎると具材が固くなるが、それが起こらない)
節電に協力するだけでなく、普通よりおいしく仕上がる。ただし時間はかかるけど。
キャンプ料理なんかだとよく使われる方法です。
まぁ、そんなわけで、多少の不便はあるけど、不満はない生活を送っております。
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基本的にこのページは自分の日記なので、あまり他人や社会に対する非難などは書かないことにしているのだが、強い思いがあるので書いておく。
どうも、「計画停電」という言葉が独り歩きしていて、「無計画だ」とか東京電力が批判されているのだが、本質を理解していないように思える。
もともと、東電は「輪番停電」と言っているのだ。ところが、輪番と言う言葉の意味が判らなかったり、テクニカルタームだと思ってしまうような人がいるので、「計画」という別の言葉を使うようになったに過ぎない。
「輪番」は普通に使われる単語だ。近年では「当番」や「順番」などの言葉を使うことも多いので「輪番」を使うことが少なくなって入るが、概念が微妙に異なるのでわざわざ違う単語がある。
「順番」は、順の言葉の通り、一方向に当番を入れ替える事を意味するのみだが、「輪番」は輪の文字の通りサイクリック(環状)になっている。つまり、最後まで行ったら強制的に最初に戻る。
ただこれだけの言葉である。
この説明を読んで初めて知った、と言うような人は反省するように。あなた方のために、東京電力は言い直さざるを得なかったのだ。
東電の電力網と言うのは、つまり「電気回路」に過ぎない。
発電所がダメージを受け、運用を停止しているというのは、電気回路で言えば電池の電圧が下っている状態に値する。
つまり、携帯電話で言えば、電圧が少ない状態だ。
携帯電話で電圧が下ったらどうすればよいか。もちろん充電が望ましいが、それが出来ない場合の話だ。
誰もが考えるのが、無駄な機能を使わないことだろう。
誰かから連絡来る事を考え、ゲームなどで遊ぶ事を控える。カメラなどは、使おうとすると「電池容量が少ない状態では使えません」などと、システムに怒られることもある。
つまり、電圧が下っている場合は、節電することや、一部回路への電力供給を行わないことが必要なのだ。
もし無理に電力を供給すれば、システム全体が停止し、復旧の見通しを立てることも難しくなる。
携帯電話の例では説明が難しいのでたとえを変える。
「一部回路への電力供給を行わない」とは、どのような方法か?
たとえば、あなたの家でコタツと電子レンジとドライヤーを同時に使うと、ブレーカーが落ちる、と判っているとする。
コタツと電子レンジを使っている状態でドライヤーも使いたい時、どうすればよいか?
答えは簡単。コタツを切るか、電子レンジでの加熱が終わるまで待てばよい。
ただこれだけのことだ。
どこかの電力を停止すれば、その停止分を他に回せるのである。
つまり、輪番停電とは、電力が足りない時に、全体の電圧が落ちて大停電を引き起こす前に、一部の電力供給を停止して、それ以外の箇所に電力を送る、という仕組みに過ぎない。
「電力が足りない時」に行うが、それがいつ来るかは想定できないため、停電該当地区の人にとっては「急な停電」に過ぎない。
ただ、救いなのは、システム全体が停止したわけではない、ということだ。一定時間後には、他の地域の電力をカットし、それまで停止していた部分は回復する。
急な停電は困るだろうが、確実に一定時間後に回復することがあらかじめわかっていれば、対処の方法もあるだろう。
ところが、東京電力が輪番停電を「計画停電」と呼びなおした。
ここでの計画は「想定外の状態にならないこと」程度の意味に過ぎない。あくまでも、電気の番人である東京電力側の言葉だ。
しかし、多くのマスコミ(と、マスコミに煽られた一般市民)が、計画なら計画を明らかにせよという。
停電は「東京電力の送電網」を単位として行われるだろうが、そんな内部的なものではなく、市町村名などの行政の都合による単位で明らかにせよという。
震災からわずか2日(計画停電、という言葉に変えて、計画を明らかにせよといわれ始めてからは1日なかったと思う)で、送電網という東京電力の都合による単位を、行政の都合による単位に変換し、概要を公表した東京電力はよくやったと思う。
その表は「概要」に過ぎず、不十分なものだったとしても。
さらに不可解なのは、この計画停電が無事回避されたときの反応だ。
東京電力は、電力網を可能な限り維持することが仕事である。停電しない地域を少しでも多くしたいし、全体が回避できるならそれに越したことはない。
だから、時間も3時間40分のうちの最大3時間、というように幅を持って定めてある。
この時間の中で電力需要を見ながら判断をしようとしているのだ。
その時間の幅の意味がわからない人がいうのだ。
「時間になっても停電しない」と。
さらに、努力によって停電を回避できた地域の人が言うのだ。
「停電といわれていたのに、停電しない」と。
停電が回避できたのは、この文句を言った人以外(文句を言うような人は、なんの努力もしていないに違いない!)の方々の節電の努力と、ギリギリの選択を続けている東京電力の担当者の努力の賜物である。
時間になっても停電しないとか、そもそも停電が行われないと怒るのであれば、自主的に電気を消して、他の地域の方に少しでも回せばよろしい。
これを書いているのは、まだ計画停電開始から4日目である。
東電は、輪番停電については、電力的にも計画をまとめる時間的にも限られたリソースの中で、賞賛される仕事をしていると思う。
もちろん、現状を全面的に肯定できるものではない。
電力を停めることで、社会的に損失になる箇所には24時間通電を行わないといけない。
(当初は、電力網の都合でそれは難しい、と説明されていたが、2日に電車などを無停電にすることで、技術的に可能であることを明らかにした)
止むを得ない事情で、緊急避難的にシステムを大幅に変更しているのだ。
当面は変更に伴う混乱は必至だし、周辺とのすり合わせをしながら、システムを安定していくのはこれからの仕事だ。
(でも、2週間程度で、不便ではあっても社会が回るようなシステムに持って行って欲しいとは思う)
それでも、東電に振り回されるのはごめんだ! と思う人は、電気を使わない生活を心がければよい。
最初から電気が無いと思っていれば、東電に振り回された、と感じる事もないはずだ。
その分必要な人に電気が回るので、こんなにありがたいことはない。
僕は、電力の恩恵には預かりたいので、現状の東電の「計画停電」を擁護しこそすれ、責めようとは思わない。
復旧の目処も立たない停電よりは、最大でも3時間(を2回)とわかっている停電のほうがありがたいからだ。
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