目次
08-15 飲み会
08-15 酒の味
仕事先の社長に誘われて飲み会に行ってきた。
いつもは仕事に呼ばれ、終わった後に飲み会という流れなので今回も何か仕事あるかな、と思っていたらなかった。
夕方に来て、と言われるので、昼は自宅で仕事をして、早めに切り上げて仕事先に向かう。
その会社のマスコットキャラクターを頼んでいるイラストレーターさんも来る、というので地元のお菓子をお土産に買って行った。(我が家は仕事先まで Door to Door で1時間半ほどかかる。周辺の人から見ると「ちょっとした観光地」だ)
イラストレーターさん…基本イラストレーターだが漫画も描く。Vtuber のデザインなんかも手掛けたらしい。飲み会の席で初めて聞いた。
まぁ、ちょっと有名な方。でも、気さくで、いろいろな話をして楽しい飲み会だった。
特にオチのある話ではなく、楽しかったから記録にとどめるのみ。
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こちらが今日の本題。
先に書いた飲み会の話と、本日が長男の誕生日(21歳になった)のが頭の中で結び合わさり、酒の味の話を書こう、と思った。
この話、以前から思っていることではあるが、書いてなかったと思うから。
我が家では、子供が小さいころから、親が酒を飲むときには、「酒は美味しくないものだ」と教えている。
子供が妙に興味を持って飲もうとすると危ないからね。
そして、僕は実際に、酒は美味しくないものだと思っている。
アルコールは人体にとって毒であり、毒をまずく感じるのは当然。
でも、美味しくないのになぜ飲むのかと言えば、酒は「楽しい」からだ。
毒により神経が軽く麻痺し、いつもと違う感覚になる。いわゆる「眩暈」の状態で、カイヨワの分類する遊びの4要素のうち一つだ。
飲むだけで遊びの感覚が得られる。これが楽しいから飲むのだ。
ただ、酒が美味しいとする人がいるのも理解できる。
僕の定義では「美味しい」と「楽しい」は分離できるものだが、この二つは非常に密接であり、分離しない方がよいと考える人や、そもそも分けて考えたことなどない人もいるだろう。
一人で食べるより、誰かと食べる方が美味しい。
人がいることで食べ物の味が変わることはないが、食事は確実に「楽しい」ものとなる。
そして、楽しい食事は美味しいのだ。だから、酒が美味しいというのも間違いではない。
愛情のこもった料理はおいしい、というのも同じだな。
自分に愛情が向けられている、と知った時に不快に思う人はいないだろう。温かい、楽しい気持ちになる。
ただ、これは愛情をいただく側が言うことで、いくら愛情をこめても、伝わってないと美味しいと感じてもらえない。
酒は不味いが楽しい、そして楽しいものは美味しい。
じゃぁ、酒が不味くなければもっとおいしいのに。
酒が不味い、と思っているのは僕だけではなく、古今東西の人がみな思っている。
だから、酒が少しでも不味くなくなるように、様々な工夫が試みられている。
酒に炭酸が入ると、炭酸で舌がしびれて味を感じにくくなる。
「不味い」を無くして「楽しい」だけにできるなら、それは美味くなったと言えるだろう。
シャンパンやシードル、ビールなんかがそうだな。
ただ、発酵時の炭酸を閉じ込められるようになったのは、ガラス瓶が普及してから。比較的近年だ。
同じように、強く冷やしても酒の味を感じにくくなるが、これは瓶よりさらに後、冷蔵庫ができてからだ。
キンキンに冷えた、炭酸の利いたビール、というのはごく近年のもので、長い歴史のほとんどは「ぬるくて気の抜けたビール」だった。
でも、ドイツは水質の悪いところが多く、寄生虫などが原因で下痢をすると命にかかわったため、アルコールによって寄生虫がいないことが保証されているビールは、まさに命の水だった。中世では子供でも当たり前にビールを飲んでいるのはそういうことだ。
蒸留酒もまた、不味さを消すための工夫だと思っている。
アルコール濃度が高くなるため、アルコール独特の臭みは出るし、味も苦みがが強くなるのだが、わずかな量を我慢して飲むだけで「楽しい状態」になれる。
苦い薬でも楽になると覚えれば飲めるようになるのと同じで、慣れてしまえば不味いことも忘れてしまう。
本来、醸造酒は酸っぱくなりやすい。現在の酒は高度な技術で酸味が出ないようにしているものが多いけど。
でも、蒸留することでこの酸っぱさも無くせる。
(酢酸とアルコールで蒸発温度が違うためだ)
蒸留したてよりも、しばらく時間を置いたほうが飲みやすい、というのも発見されている。
アルコールは毒なので「不味い」のだが、時間を置くと水と結合して「包み込まれる」ことで、舌で感じにくくなるらしい。
また、不快な香りが揮発する、樽の香りがうつる、などの効果もある。
いずれにせよ、多くの蒸留酒が作りたてではなく、しばらく置いてから飲むのが良いとされる。
ポルト酒のような工夫もある。
ポルト酒はワインなのだが、発酵の途中で蒸留酒であるブランデーを加える。
すると、急にアルコール濃度が高まるために、発酵を行う酵母が死んでしまい、発酵が止まるのだ。
発酵は、澱粉が糖に代わり、糖がアルコールに変わる、という反応だ。これが、糖を多く残したまま止まってしまう。
つまり、甘い酒になる。これが、甘口で飲みやすい。
甘いというのは、生物にとって活動のエネルギーとなる糖が含まれている、という味であり、何よりも重要だ。
だから、多少毒であるアルコールが入っていても、糖の美味さが勝ってしまい、飲みやすくなるのだ。
じゃぁワインに砂糖入れればいいじゃん、という話もある。
昔は今のような精製糖が入手しにくかったのでポルトワインのように作る方が簡単だったのだろうが、現在実際にワインに砂糖を入れて飲む飲み方はある。
クリスマスなんかに飲まれる、ホットワインだな。
シナモンや胡椒などの香りも入れ、身体が温まる飲み物として供される。
不味い酒を美味しく飲むための方法としては、カクテルを外すことはできないだろう。
カクテルのレシピは星の数ほどある。これこそが、人類が「酒は不味いが飲みたい」と思っている何よりの証拠だと僕は思っている。
本当に酒が美味しいというのであれば、そのまま味わえばいいのだ。美味しくないからできないのだ。
先に蒸留酒の話を書いたが、一度アルコール分が高まっているのだから、薄めて醸造酒程度になったって問題ない。
だから、美味しいジュースなどと混ぜてしまう。元の醸造酒の不味いところを取り去り、美味しいものに置き換えた感じだ。
(最大に不味い毒である、アルコールは残っているのだけど)
最初に、炭酸が入ると舌が麻痺する、と書いたが、炭酸と混ぜたカクテルも多い。
アルコールは少し苦みがあるが、柑橘も少し苦みがあるため、柑橘と混ぜると味がごまかされやすい。
柑橘の香りだけでもよい。毒の苦みではなく、柑橘の苦みだと誤認させればよいのだ。
だから、柑橘を使ったカクテルも多い。
蒸留酒ではなく、醸造酒を使ったカクテルも多い。
ワインに果実を漬け込んだ「サングリア」などもこの類型だと思うが、実際にサングリアを作ると日本の酒税法では「果実酒」となり、醸造免許が必要となる。
(「梅酒」は販売目的でなく家庭で作る分には違法にならないが、サングリアの場合は違法となる。ベースとなる酒が果実酒用に作られたものではなく、正しく課税されないため)
なので、お店で提供されるサングリアは、本当はサングリアではなく、ジュースと混ぜただけのカクテルであることが多い。
最近は大手酒造メーカーがサングリアとして売っている酒も多いので、そういうやつかもしれないけど。
(これなら醸造免許を持った会社が作っているので問題ない)
酒の話は尽きない。
人類は酒が大好きで、昔から様々な工夫をしてきた、ということだろう。
途中でも書いたが、これこそが「酒は不味い」と示す証拠だと思う。
楽しいから飲みたいけど、不味いのは嫌だから工夫してきたのだ。
酒は、美味しいのではなく、楽しい。
僕はそう思っている。
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