目次
05-14 ジョージ・ルーカス 誕生日(1944)
05-14 ルーカスの作ったもう一つの会社
今日は、ジョージ・ルーカスの誕生日(1944)。
超有名映画監督ですね。スターウォーズが代表作。
スピルバーグ(激突!、ジョーズで注目され、未知との遭遇、ジュラシック・パークなどのヒットがある)ともよく混同されるけど、インディー・ジョーンズなんかは二人とも仲良くかかわってる。
お互い混同されないようにしよう、と一緒にインタビューされたときにわざと同じような格好をして言うのもネタのうち。
さて、僕のページで取り上げるのだから、映画監督としてではなく、コンピューター関連の人として紹介します。
ルーカスはテレビゲームも大好きで、ルーカスフィルム・ゲームズというゲーム作成会社を持っていたのね。
#後に複雑な経緯を辿って「ルーカスアーツ」になり、現在ディズニー・インタラクティブに吸収合併。
アメリカでは、たくさんのゲームを出していて、大ヒット作もある。
でも、残念ながら日本人好みする作品は少なくて、国内ではそれほど発売されていなかった。
このルーカス・フィルム・ゲームズ、1982年の5月に設立されていますが、日付が残念ながら不明。
「今日は何の日」で扱えないので、日付も近いルーカスの誕生日に書かせてもらう次第です。
以下は、僕が覚えている物のみ紹介します。
ファミコン版が出ていて、結構好きでした。
今見ると、移植元に比べて動き悪いね。
これ、意味わからん、クソゲー、っていう人と、面白かったという人で意見が分かれる。
ゲーム内容は、サッカーに似た球技です。
ただ、近未来だという設定になっていて、乗り物に乗って1対1で戦う。
乗り物は高速で動くので、サッカーなのに1対1でもなんとかなる。
ゲーム画面も、当時としては非常に珍しかった、3Dの上下分割。
…この時点で、理解できない人には付いてこれない。
「珍しい3D」なのに、「高速で動く」のですから。
しかも、この視点で球技って、今でもあまり見ない。
3Dだけど、上ボタンを押していれば「目的地に向かう」ようになっています。
ボールを持っていなければボールに近づき、ボールを持っていればゴールラインに向かう。
方向転換は自動。
左右で横にスライド移動できるけど、ボールにより早く近づいたり、相手にフェイントかけるのに有効。
バスケットボールみたいに、ゴールにシュートした位置で得点が変わります。
遠くからシュートすると3点だけど、ゴールは常に動いているので、外れることも多くなる。
基本的に、友達と対戦するためのゲームです。
友達相手だと、フェイントかけたり、心理戦が重要になってくる。
上押していれば目的地に突進するゲームなので、フェイントも利かないコンピューター相手にやっていても面白くない。
アドベンチャーゲームです。
こちらもファミコンに移植されていました。
安くなっていたのを買ったのだけど…難しすぎて解けなかった。
ルーカスフィルムは本来映画会社ですから、映画的な演出を狙った内容でも、アメリカでは大ヒット。
後に続編も作られていますし、今でもこのゲームが好きだ、というファンが多数いるようです。
アドベンチャーゲームと言えば、絵が表示されてコマンドをキーボードから入力して…という時代に、このゲームではカーソルを使って、コマンドと「場所」を指定する方式です。
指定されると、実際に画面上をキャラクターが動いて、指示されたことをやろうとします。
ここら辺の演出が「映画風」だったわけです。
#細かな見た目の問題だけでなく、ストーリーの作り方なども映画風だったわけですが。
使用できるキャラクターがやたらと多く、その中の2人を選んでゲームを開始するのですが、それぞれ得意なことなどが設定されていて、出来ることが違う。
それでも、できることを組み合わせてキャラに合わせた展開で先に進まないといけないようになっていて、どのキャラでもちゃんとゲームを終えられるようになっている…らしいです。
(僕は最後まで行けなかったから、詳しくは知らない)
これは多分国内移植されてないよね?
僕も遊んだことありませんが、かなり話題になって、当時いくつかのテレビ番組やゲーム雑誌で紹介されていました。
「フラクタラス」という惑星に残された友軍兵士を助け出すために、敵の攻撃をかいくぐりながら惑星に降下しなくてはならない…という内容。
基本的には、コックピット視線の3Dフライト・シューティングです。
レーダーに友軍兵士の位置が映るので、その近くに着陸すれば、兵士はこちらに向かってくる。
…ただし、異星人が偽装している場合もあります。
敵だとわかったら射殺。味方と確認すればエアロックオープン。緊張感があります。
移動中も、敵兵から撃たれるのをかわしながらこちらからも攻撃したり、割と忙しい。
惑星全体が山岳地域となっていて、飛んでいても山を避けないとならないし、敵も周囲のどこに潜んでいるかわからない。
このゲームがすごいのは、惑星上空を自由に飛び回れることです。
自由に飛んで、地形はどこまでも続いているし、近づいてもそれらしい山の稜線が設定されている。
この地形を、当時の 64Kbyte しかメモリ空間のない 8bit 機で表現しているわけです。
実のところ、地形はランダムだったようです。
フラクタル理論を応用して山を作ってあり、近づいて詳細が見えてくると、リアルタイムに詳細部分を生成する。
フラクタルだからこそ、できる芸当。
オンライン上の架空の街で架空の生活を楽しむゲームです。…ゲーム?
ハビタットは壮大な実験で、これがゲームだったかどうかすらわかりません。
見た目の上では、マニアックマンションとシステムが似ています。
何をするか指示をすれば、キャラクターが動き回る。
ただ、アドベンチャーゲームのような既存のシナリオは無く、同時に複数のプレイヤーが同じ世界を遊んでいます。
プレイヤー同士は会話も可能です。
持ち物を交換することも出来るので、お金を渡して品物を受け取ることも可能。
武器もありましたので、殺人も可能。
殺された人は自分の家から再スタートしますが、持ち物は殺された現場に残ります。
自分の家を持つことも出来ました。
ハビタット内での殺人が横行した時は、現実世界での神父さんが教会を建て、「武器を捨て、穏やかに生きる」信者が沢山集まったそうです。
今ではこういうシステムも珍しくありませんが、おそらくは、その最初のシステム。
ただ、当時はインターネットは普及しておらず、電話回線で遊びました。
電話代もかかるし、それとは別にハビタット自体が時間課金。
ゲームの世界に入り浸ってものすごいお金をつぎ込んでしまう人など、現在の問題も先取りして、たった2年間の実験を終了します。
一番の問題は、自由すぎてこの世界で暮らすユーザーの「常識」が成立しなかったこと。
たかがゲームだ、と考えるユーザーは殺人を楽しむし、架空とはいえ生活だと考えるユーザーには、これが我慢ならない。
アンケートを取っても五分五分で意見が真っ二つだったそうです。
その後、富士通がこのシステムを買い取って日本版なども提供しましたが、自由すぎるがゆえの問題と、お金がかかりすぎる問題はそのまま、こちらも短期間で終了。
以上、他にもいっぱいゲーム出してました。
富士通の FM-Towns は海外ゲームの移植が多くて、移植されたものもあったはず。
「アイドロン」は、レスキュー・オン・フラクタラスのシステムを、洞窟探検のファンタジーアドベンチャーに応用したもの。
「マニアックマンション」以降のアドベンチャーゲームシリーズは定評が高く、長く続きました。
モンキーアイランドはメガドライブ(メガCD)でも日本語版出てました。
最初に書いた通り、現在はディズニーに吸収合併されています。
既にディズニーからスターウォーズのゲームなどが発売されていますが、過去のシリーズの続編が出るかなどは不明。
#親会社であるルーカスフィルム自体が合併され、映画スターウォーズの新作などはディズニーが作成予定。
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ルーカス絡みで、思い出したのでもう一つ話題を書いておきましょう。
こちらは、記憶のみで資料が無い。昔、雑誌の「ログイン」に載っていた記事の記憶なのだけど。
ルーカスは、スターウォーズの第1作目(エピソード4)を撮影したときに、ものすごい手間をかけて画像合成を行い、宇宙空間を表現しました。
こうした「特殊効果」を行うための会社まで設立します。それが、インダストリアル・ライト・アンド・マジック。(ILM: 光と魔法の工房、という意味)
さて、この ILM が、コンピューターを使った画像合成を行おうと考えました。
たしか、エピソード6で使われたのではなかったかな。
エピソード6の公開年は 1983年。
同年発売の PC-8801 を例にとると、パソコンでは 640x200ドット、8色程度がせいぜいの時代です。
この時代に、映画館で見ても違和感ないほどのドット数(横2千ドットくらい?)で、色数も24bit カラーの機械を作ってしまったのです。
この機械、当時としては「コンピューター」としてログインに紹介されていました。
ただ、演算能力は無くて、画面表示ができただけだそうです。
つまり、いまでいえば「グラフィックボード」に近いものですね。
当時の技術では、ボード1枚になんて収まらず、パソコンですらなく、ミニコンピューターレベルのサイズなのですが。
どうやら、この機械を別のコンピューターに接続し、画像合成などを行ったらしいのです。
今で言えば Photoshop みたいなものなんでしょう。明らかに時代の先取りでした。
コンピューターの画面表示で、最小単位の1ドットのことを「画素」と呼びます。
英語では Pixel 。Picture と、 Cell (小さく区切られたもの)から作られた造語です。
そして、とんでもないほど高精細な Pixel を表示できるこの機械、名前を Pixer 1 と言いました。
「画素化1号」とでも訳せば良いでしょうか。
ILM は、わざわざルーカスフィルムとは別会社として作られ、ルーカス以外にもいろいろな会社の「画像処理」作業を行っていました。
当然、このグラフィックコンピューターもそうした作業に使われたと思われます。
当時としては、先進的過ぎる、魔法のような機械だったと思います。
後に、どうやら Pixer 2 が作られたようです。
(もしかしたら、P-II が正式名かもしれません。ネット上に P-II という記述があったので)
ILM からさらに Pixer Image Computer という会社が設立され、Pixer 2 を量産販売し始めます。
主な顧客は、政府機関や医療関連、映画会社など。ディズニーも顧客だったようです。
…ところが、この戦略が失敗。
このコンピューターは先進的過ぎましたし、他の機械から操作する「出力機械」でしかありません。
全体をそろえようとすると、あまりにも高価だったうえ、それを適切に扱うソフトウェアもなかったのです。
ここで、Pixer 社はルーカスフィルムのグループから離脱することになります。
お金を出して買い取ったのは、当時 NeXT 社のスティーブ・ジョブズ。
コンピューターの販売は辞め、名前をピクサー・アニメーションスタジオに変更して、アニメを作りはじめます。
最初は、非常に簡単なアニメから。
それでも、「全編をコンピューターで作ったショートムービー」は非常に新しいものでした。
やがてレイトレーシングを使い、人間を登場させ…表現力を高めていき、長編アニメ「トイストーリー」で、商業的にも成功をおさめます。
あとは、多くの人が知っている通り。
ピクサーは、ルーカスのグループ企業から始まりましたが、一足先にディズニーの傘下に入っています。
その後、ルーカスフィルムもディズニー傘下に入ったのは、先に書いた通りです。
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